この数年、確かに「Foodex」におけるタイ国のブースは「Kitchen of the World」と銘打って世界の消費者に向けて、世界に通用するタイ食材の売込・宣伝に力を入れていることは、事実である。本年春の例では、ミスタイランドを招聘し、タイの代表的レシピを来場者に提供していたことは、ここ数年見られなかったことで、少なからず売込の強い意気込みを感ずる。嘗ては、タイ産品の缶詰や麺などの加工品をただ単に陳列しているだけの訴求力のないブースが軒を連ね、来場者は素通りするため、手持ち無沙汰の係員がお喋りをして、時を過ごしていた光景をよく目にしたものである。隣のベトナムのブースでは、産出する海老をその場で天婦羅にして、アオザイ姿の美人が「どうぞ召し上がれ!」と微笑を振りまくという光景とは対象的であった。この1~2年の例では、タイ側も力を入れ始め、ブースの占めるスペースや広告塔は立派になったものの、その内容は未だに訴求力に欠けると言わざるを得ない。折角、ミスタイランドを招聘しても、タイ食材を紹介するイベントは、関係する日本の業者にお任せのようにも見受けられた。招待者のみの特別エリアでのお披露目では、さしたる効果は望めまい。
このように、民間自らの努力により、徹底した安全対策をアピールする例もあるが、今後、タイ側としても、問題意識の高い政府関係部署が中心となって、日本、世界において、これら食品の安全性を長年検査して高度の信頼を勝ち得ている機関とタイアップするなどして、権威ある第3者検査検証機関を設立するなどして実績を積み重ね、一度この検証を得られたら、「安全・安心」を担保するものとして、日本はもとより世界で受け入れられる、高度に安全な高品質の食品であるという消費者の「評価」に繋がるビジネスモデルが構築されれば、タイの食品は、正に真の「Kitchen of the world」と言えるのではなかろうか。