2023年04月01日配信
JTBF 広報委員会
2023年JTBFタイミッションを終えての総括
過去3年間中断していたタイミッションの再開に当たっては、日本及びタイ両国ともまだ完全にコロナ収束に至っていなかった環境下であったことより、その出発前までは、現地の受け入れ対応にいささか不安もあった。
しかし、3月13日(月)及び14日(火)の2日間のタイ訪問先では例年通り暖かい歓迎を受けたこと、また今回は会長不在のミッションではあったが、14名の参加者全員が一致協力して各々の任に当たった結果、JTBFミッションの役割を果たすことが出来たこと、まずはこの点を会員の皆様に報告したい。
ミッションで特に印象深かった事を整理すると以下の通りである。
- 3年振りの訪問であったことより訪問先の責任者がほぼ全員交代されていた。まずはその新しい顔ぶれを紹介したい。
JCC は加藤会頭(タイ三井物産出身)
BOI は Narit 長官
TNI は Chirapan 理事長(Sumipol グループ代表兼 FTI 理事)及び Rungsun 学長(前経営学部長)
という新しい布陣であった。 - タイ経済界トップとの懇親会の席上、現地受け入れの実質的トップであるアーサーサラシンさんが JTBF 設立の経緯、その役割また今までのタイとの連携活動などを例年になく強調された事は、ミッション参加者にとって極めて印象深く感動を受けた発言であった。
- また懇親会には例年と違い多くの JCC 理事の参加者が見られ、ミッションメンバーとの懇談に止まらず、タイ経済界との懇談親睦も為されたが、このような場が出来たことは一つの JTBF の役目であろうと理解出来た。
以下訪問先毎に簡単にまとめておきたい。なお、訪問先毎の詳述については関係する委員会報告に委ねたい。
2月13日(月)
- JCC 訪問:午前10時~
日系企業景気動向の報告を主に受けたが、昨年末の会員対象の調査によれば、調査対象業種全てで23年上期はプラスとのこと。特に非製造業界が顕著である。
一方、経営課題として競争激化と原材料(エネルギーを含めて)の値上がりが顕著とのことである。 - BOI 訪問: 午前11時半~
BOI よりは新しい恩典政策の説明を受けたが、今回強調されたことは、今までの政策では恩典期間が終わればそれ以上のメリットはなかったが、今後は既進出企業へのメリットも配慮した政策も実行していくとのことであった。
また特記として、Duangjai 前長官に代わって Narit 新長官に JTBF 顧問を引き受けていただいた。 - TNI 訪問:14時30分~
一時期、新入生が減少するという時期もあったが、ここ数年は増えつつこと。及び、他の大学との差別化のため、理系では特に実務的な教育実習に力を入れているということで、その実習現場の見学もさせていただいた。
2月14日(火)
- MOI リサイクルセンター視察:10時~
環境問題への対応策として MOI がサムットプラカーンに設立したリサイクル技術の研究センターを視察し、家庭用品を含む産業廃棄物からのリサイクル処理や科学的実験設備などを見学した。 - MOI 本省訪問:午後2時~
タイ政府が力を入れている BCG 経済モデルの主担当部署の一つである MOI の甘藷・砂糖委員会事務局を訪問して、SDGs 実現のための政策、手法の説明を受け意見交換を行った。 - 日本大使館訪問:午後6時~
梨田大使を表敬訪問し、タイ及びJTBF近況に関して情報交換を行った。
最後にコロナ禍が収まりつつあるバンコクの印象(個人的)について。
一番の印象は、過去の訪問時と比較して交通状況が大幅に改善されていたことである。このため移動時間が大幅に減少した点である。また韓国人や中国人を主とする観光客は相当戻りつつあり、地元のタイ人も含めて見た目8割程度まで人の往来は回復しているとの印象を受けた。一方、高級店の興亡は相変わらずで、Central Embassy という高級モールが先の英国大使館跡地に開店した。しかし日本人には懐かしい伊勢丹や東急デパートは閉店といった寂しい状況であった。
なお従 来BTS 駅の改札口周辺を賑わしていた小規模の出店がどの駅でも一部弁当と飲み物店を除きことごとくクローズしていたのは気になった。
以上、簡単ではあるがミッションを代表してタイ訪問の総括としておきたい。
写真左:タイ経済界首脳との懇親会 写真右:日本大使館訪問
文責 谷口武彦(JTBF 副会長)