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工夫足りない「Kitchen of The World」-Foodex2009 タイブース

日タイビジネスフォーラム 食品開発委員会委員
本村 博志


  「また、今年も同じか・・・どうしてなんだ!」食品開発委員会では、今年も恒例の幕張メッセFoodex2009 を視察、その偽らざる感想だ。折からの雨模様のせいか、気が滅入る。何故、こうも毎年、判で押したように、缶詰や瓶詰めなどをただ単に陳列するのみのフェアになってしまうのか?

  タイ国は、この激烈な競争裡の中にあって、日本の、世界の消費者に一体全体、何を訴えようとしているのであろうか。タイ好き委員の面々は、覚束ない怪しげなタイ語を操りながら、タイブースを一軒、一軒丹念に視察して回った。おなじみマンゴーが1ダースのケース入り陳列されている。ただ、それだけだ。フィリッピン産の、メキシコ産のそれとどの様に違うのか、どこがアピールポイントなのか、一見なにも判らない。熱心なタイ好き委員でさえ、面食らってしまう。

  当のブースの売り子担当員殿は、昼食時だろうか、やや奥まったところで一心に弁当をつかっている。こちらには関心がない、いやむしろ、「ただ今、食事中」につき〈実は迷惑なんだよなー〉という表情が十分に読み取れる。そそくさと隣のブースに足を運ぶ。ここも同じ風景。デジャヴュの世界。今年は、CPなど食品大会社は参加していない。昨年は、タイブースとは独立した目立つ位置に、活気溢れる売り込みをしていたものだ。あの活気はどこへ行ったか? "昨年(こぞ)の雪、今何処?・・・・・"

  企画力の無さなのか、中小企業を引っ張る中心的存在の欠如なのか、目を見張る統一されたコンセプトの下のフェアとは程遠い。これでは、莫大な費用をかけて出展する意味合いがあるのであろうか?そう感ずる委員は私だけではあるまい。タイよ、頑張ってくれよ!

FOODEX 2009

  先日の訪タイミッションで早めにバンコク入りした委員は、日本の若い女性に人気の、「Mango Tango」(サイアムスクェア)を視察。何と日本人女性観光客の多いことか。若い女性のグループ、若いカップル、若い子供連れの家族等々。さして広くない、うなぎの寝床状態のお店ではあるが、活気に溢れる。テーブルの回転も良好。何故、こうもマンゴーだけの売りで活気に満ち満ちているのか。マンゴジュース、マンゴーの黄色い果肉にナイフをいれ、マンゴアイスともち米にココナッツミルクをかけたプレートが80バーツだったか。結構これがいけるのだ。タイで今流行のご当地 Mango Tango のロゴ入り「エコバッグ」が、観光客に飛ぶように売れている。少し売り方に工夫をこらしただけで、日本の女性誌に掲載されるや、連日の盛況ぶりだ。

  この事実から、なにが読み取れるか?この会場内に、「Mango Tango」もどきの模擬店などをオープンし、若さ溢れるプージンによる笑顔のおもてなしをすれば、評価を受けること請け合い。「エッ、マンゴーのこんな見せ方、食べ方があるんだ」と関心を寄せるバイヤーさんで一杯となるだろう。今、うけている流れを確実に掴んで、アピールすること。

  中国産農産物に対抗して、消費者に「安全と安心」をアピールするなら、そのような仕組みを具体的に「このようにやっているのだ」、と見える化して徹底的に訴えるべきであろう。

  別会場で実施していたCPグループのセミナーに参加した。ここでは、「インテグレーションシステム」と言って、エビやチキンなどを、飼料工場から加工場まですべてのプロセスにおいて、自社直営の施設で行うシステムで、特に、タイ産エビの「室内養殖」の話に注目した。今まで、海に近い河口を選んで養殖場としていたが、どうしても、衛生管理や、異物混入(鳥の糞や、ミジンコ等など)、周辺環境への悪影響など問題があり、関係者を悩ませていたものであるが、それら諸問題の解決策としてクローズアップされていくのではなかろうか?この辺を強調して、室内養殖で出来たエビを、隣で天ぷらにして試食してもらう企画など検討に値するのではないか?

  タイブースの中で意外性があり興味を引いたのが、タイ産チョコレート。長年、タイには何かと関係をもってきたが、不覚にもこれだけは知らなかった。聞けば、タイのネスレ等に卸しているという。スクムビット通りソイ31にも、店舗があるらしい。カカオの原料は、さすがに南ア(?)から輸入しているものの、その他プロセスは全てタイ。黒砂糖やもち米などを原料とする「ロジャナ焼酎」も、変わっていて愉快になる。味もなかなかいける。

  ただ単に、瓶詰・缶詰や、マンゴーをそのまま陳列するのではなく、来年こそ、これら意外性をもった商品などを織り交ぜながら、アピールポイントにしっかりと焦点を合わせ、企画力に富んだタイ食品展を是非、目にしたいものだ。

  材料は山ほどあるはずだ。なにせ、タイは、"Kitchen of the World" なんだから。

(2009年3月11日寄稿)



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