Logo of JTBF

Japanese | English

JTBF訪タイ・ミッション2009 (2/23-2/27)

大蔵大臣・タイ中央銀行訪問記

本村博志(JTBF金融委員会委員長)


タイ財務省(Ministry of Finance, Thailand)

2009年2月23日(月)11:00-11:30
当方: 北山会長、本村

  久し振りのタイ財務省訪問は、懐かしのバンコク大渋滞と、財務省を取り巻く北西部農民の陳情団に迎えられた。1997年の為替危機前に戻ったかの様相を呈している大渋滞は、不景気風など関係ないように見受けられる。当時より加齢したスーツ姿の北山会長と小生は、一段と気が短くなったか、堪らず車を飛び出し、乾期明け間近い温気溢れる凸凹道を、財務省目指して一心に歩き出した。ツイテいない時は重なるもので、記憶にある財務省正門が閉ざされ、目的地に着きながら建物に沿って半周、その間、折からの暑さの為か統一を欠きダルな雰囲気満々の農民陳情団の視線を、たっぷりと浴びながらの到着。財務副大臣とのアポ時間には、努力空しく無情にも遅刻。

  正に汗顔の至りで飛び込んだ副大臣室でにこやかに迎えてくれたのは、当の副大臣(Dr. Pruektichai Damrongrat, Deputy Minister of Finance)ならぬ副大臣の"弟"タナカーン氏とFiscal Policy局の幹部。一瞬"?"と戸惑うが、タナカーン氏は悠揚迫らず、タイ流のスマイルにて、副大臣は急遽、国会に呼ばれた為、面談能わず、国会で昼食を取りながらでは如何、との有難いご提案。このお誘いを丁重にお断りして、タナカーン氏はじめ財政政策局幹部との懇談に終始、副大臣との面談は見事に空振りとなった。それでもFiscal Policy局幹部との懇談の中で、

  • タイが近々主催する予定のアセアン首脳会議に始まる一連の国際会議において、国際空港閉鎖によるタイのイメージダウン回復に全力を挙げたいこと
  • 未曾有の世界不況を乗り越えるべく、国をあげて景気刺激策に取り組むこと
  • GMSに対し、タイがイニシアティブをもって当該地域発展のため政策推進して行きたい、特に、日タイJ/Vの同地域への投資など推進すべき(Textile, Garment分野)である

  等々熱っぽく語ってくれた。

大蔵省での面談風景

  次のBOIとの面談の時間には遅れないよう、コーン大臣、プルティチャイ副大臣によろしくと、懐かしの財務省を後にした。


タイ中央銀行バンディット副総裁(Dr. Bandid Nijathaworn, Deputy Governor)との面談

2009年2月23日(月)14:00-15:00
当方: 北山会長、本村

バンディット副総裁を囲んで  丁度1年前、JTBFミッション訪タイ時に比べ、一段と自信に溢れた落ち着いた応対振りは、昨今の欧米金融当局の悩める姿を微塵も感じさせない堂々たるもので、氏の中銀経験の深さを感じさせる。北山JTBF新会長からの挨拶とJTBF活動説明の後、バンディット副総裁発言の概要は次の通り。

  • タイ国は、1997年の為替危機の時と違い、幸いにも此度の世界金融情勢の混乱の中心には位置していない。然しながら、タイ国経済は他国同様、その影響を受けており、このインパクトを如何に極小化していくかが大きな政策課題である。
  • 2009年1月の輸出増加率(対前年同月比)は、おそらく15~16%の▼(マイナス)と思われ(実際には▼26%で3か月連続の▼)。金額的には自動車、電器関連の落ち込みが大きく、105億ドルで、輸入額も相応に落ち込んだ結果、1月の貿易収支は、約14億ドルの黒字)、2009年通年では▼となるだろう。
  • このため、輸出の"recover"を図り、資本の流入を如何に図って行くかが本年の大きな課題となる。民間銀行は、輸出業者への貸出に躊躇する可能性もあり、この点の配慮も欠かせない。
  • (既に本年度は、1,167億バーツの補正予算が認められたが)本年10月以降の次年度予算では、より景気刺激的な予算を組む必要がある。また、十分なる流動性の確保をし、市場に投入するべきであろう。IMFからの借入は難しいかもしれない。
  • 政府予算の赤字は、保守的に抑制され、GDPの20%までと決められているので、国営企業が世銀やアジア開発銀行等の国際的な公的金融機関から、前倒しで借り入れてもらい、国の政策遂行の補完を考えている。現在、公的借入残高は、GDPの37%。今後、大型赤字予算を組んで行けば40%台に乗ってこよう。

  副総裁の発言概要は以上の通りなるも、当方より、昨年8月に導入された「Financial Institution Act」により、従来の1社当たりの貸出制限(持込資本金の5%)から、今回、新たに10%以上出資しているグループ企業全体に対し、持込資本金の25%と言う貸出制限を設定した。これは、金融機関の健全性を保つ意味から意義深いものであり、欧米の金融機関に対する信用低下の現状を見るにつけ、その予防的措置とも言えるもので、個々の銀行によって対応は大変かも知れないが歓迎される施策と言えよう、とコメントしたことに対し、満足げな笑みを浮かべる副総裁と再会を期して、チャオプラヤ川を借景とした副総裁室を後にした。



 在京タイ王国大使館 /  タイ国投資委員会 /  タイ国政府観光庁 /  日タイ経済協力協会 /  海外技術者研修協会 /  盤谷日本人商工会議所 /  (社)日本貿易会 /