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| JTBFからの提言・報告 在日タイ政府機関・関連団体より 紀行・随筆 タイ国政治・経済 タイ経済概況 June 2010 リンク
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タイ国経済概況(2010年6月)
タイ商務省、タイ中央銀行、国家経済社会開発庁(NESDB)から発表される諸指標に基く経済動向、タイ投資委員会(BOI)から発表される投資動向、および政治面での主要な動きを、月次まとめてお送りします。
日タイビジネスフォーラム金融委員会
1.景気動向
- タイ国家経済社会開発庁(NESDB)は5月24日、2010年第1四半期の国内総生産(GDP)成長率について、前年同期比+12%となり伸び率が過去15年間で最高を記録したと発表した。要因として①輸出拡大②国内消費の伸び③民間投資増加⑤観光収入の増加等をあげた。一方で、今後の経済成長については、国内の政治混乱、干ばつ等がリスク要因になると指摘。通年のGDP成長率予測については当面3.5~4.5%に据え置くことを決めた。
- タイ中央銀行の月例金融経済報告(5月31日発表、4月実績)によると、4月単月の輸出額は138億ドル(前年同月比+34.6%・前月比▲23億ドル)、輸入額は140億ドル(同+43.1%・同▲10億ドル)。輸出は前月の急上昇した反動によって落ち込み、輸入は、原油輸入が大幅に増加したほか、電機製品の原材料輸入も増加した。この結果、貿易収支は2億ドルの赤字となった。4月末時点の外貨準備高は、1,476億ドル(前月比+35億ドル)となった。
- タイ商務省の6月1日の発表によると、5月単月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比+3.5%(食品・飲料4.6%・非食品2.8%)で8ヶ月連続でプラスとなった。5月単月のコアCPI(除く生鮮食品、エネルギー)上昇率は、前年同月比+1.2%で7ヶ月連続プラスとなった。
2.投資動向
- タイ投資促進委員会(BOI)によると、2010年1月~4月の外資系企業(外国資本10%以上)による投資促進申請件数は245件(前年同期比+31.7%)、投資額は533億バーツ(同2.5倍)となった。投資額が1億バーツ未満の小規模投資申請が全体の63.7%を占めた。分野別の投資申請件数/金額は、農業・農産加工品:25件/54億バーツ、鉱物・金属・セラミックス:4件/22億バーツ、軽工業:15件/24億バーツ、金属製品・機械・自動車関係:67件/169億バーツ、電子・電気産業:49件/84億バーツ、化学・紙・プラスチック:28件/53億バーツ、サービス・公共施設:57件/127億バーツとなった。国別では、日本:99件(前年同期比+39.4%)/256億バーツ(同2.5倍)で件数/金額ともトップ。続いて、シンガポール:25件/69億バーツ、中国:9件/64億バーツ、香港:7件/23億バーツ、台湾:13件/20億バーツ、オーストラリア:5件/18億バーツ、マレーシア:12件/14億バーツ、インド:2件/14億バーツなどとなった。
- タイ政府は6月2日、地域統括会社(ROH)誘致のための税制優遇措置を閣議承認した。地域統括会社がタイ国内より得る収入について15年間、法人所得税を10%に引き下げられるほか、海外からの収入に関しては15年間法人所得税を免除される。
3.金融動向
- タイ中央銀行の発表によると、2010年4月末時点の金融機関預金残高は9兆9,627億バーツ(前年同月比+4.4%)、貸金残高は8兆9,877億バーツ(同+5.9%)となった。政治混乱で預金引出しが増加し預金引受金融機関(為替手形含む)の預金残高は、前年同月比+4.6%と3月の同+5.7%から伸びが鈍化した。一方、預金引受金融機関の貸出は、同+5.9%となり前月と同水準であった。
4.金利動向
- (5月の回顧)5月のバーツ金利相場は、金利が上昇してのスタートとなった。月初にアピシット首相による総選挙前倒し提案を受け株式市場が上昇、これまでリスク回避で買われていた債券が下落(利回り上昇)。しかし、タクシン派がこの提案を拒否したことで、一転して株式市場の下落基調が鮮明となり債券価格上昇(利回り低下)となった。また、ギリシャ問題が欧州全体に広がり、リスク回避の動きが優勢となり世界的に金利低下。更に当地ではデモによる観光・消費・投資に与える悪影響は避けられず、当面の間は政策金利据え置きとの見方が広まり、ゆっくりとした金利低下の動きが継続しての越月となった。
- (6月の展望)6月2日に開催されたMPC(金融政策決定会合)では金利据置きが決定された。同時に発表された声明文では、①景気は好調だが欧州問題と国内政情による下ぶれリスクあり、②依然として今後のインフレ懸念が表明された。景気見通しがはっきりすれば、インフレ予防的な利上げも考えられ、金利低下幅も限定的になると予想される。
5.為替動向
- (5月の回顧)5月のドルバーツ相場は、1ドル=32.30バーツ近辺からスタート。月初はアピシット首相が和解に向け11月中旬での総選挙を提案(当初は1月23日)、株式市場が上昇しバーツ高の動きとなった。しかし、タクシン派はこれを拒否したことで再び政情不透明感が広がり、バーツはゆっくりと売られる展開。またギリシャ支援が決定されたものの財政問題は収まることがなく欧州全体に問題が広がり、リスク回避の動きが活発化、アジア通貨が軟調になったこともバーツ安の要因となった。13日よりデモサイト周辺を封鎖し緊張が高まるなか19日に政府が強制排除を実施。デモサイトを制圧したもののデモ隊の一部が暴徒化、夜間外出禁止令が発令されるなど不安定な情勢を背景にバーツは下落。更には欧州危機、朝鮮半島の緊張の高まりなどもあり、アジアからの資金流出の動きも活発化したことで、ドルバーツは32.50台で越月となった。1円=0.34半ばで始まった円バーツ相場は、政情不安でバーツ安となる一方、リスク回避の動きを背景に円高の動きが加速し、円高/バーツ安水準となる0.36台前半での越月となった。
- (6月の展望)①リスク回避の動きによる資本流出、②4月貿易統計での貿易赤字転換など、ドル売/バーツ買圧力が減少していることが予想される。一時的な動きに留まるのか見極めが必要となるが、バーツが上昇し難い時間帯であると考えられる。
6.政治動向
- 5月19日治安当局は、バンコック市内中心部ラチャプラソン地区を占拠する反独裁民主統一戦線(UDD)デモ隊の強制排除を実行した。同日昼過ぎのUDD幹部によるデモ集会解散宣言後、これを不服とする一部のデモ参加者によりバンコク市内30ヶ所以上で放火があり、繁華街の大型商業施設が火事により倒壊するなど大きな被害が発生した。政府の発表では、同日の強制排除による死者は7人、負傷者は88人。一部報道ではUDDの過激派メンバーが今回の強制排除の報復としてテロ活動を行う可能性があるとし、タイ政府は非常事態宣言を当面継続するとしている。
- 6月7日アピシット首相は、反政府デモ後の政権強化と連立政権内の亀裂修復に向けた内閣改造を実施し、8閣僚を入れ替え第二次アピシット新内閣が発足した。前内閣については前週野党タイ貢献党が提出した首相含めた6閣僚の不信任案審議において、6人全員信任となるも、連立与党内から不信任票がでるなど政権内の亀裂を懸念する声が浮上していた。
当記事は、三井住友銀行バンコク支店がとりまとめた資料を、同支店のご好意により利用させて頂いています。
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