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| JTBFからの提言・報告 在日タイ政府機関・関連団体より 紀行・随筆 タイ国政治・経済 タイ経済概況 Nov. 2011 リンク
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タイ国経済概況(2011年11月)
タイ商務省、タイ中央銀行、国家経済社会開発庁(NESDB)から発表される諸指標に基く経済動向、タイ投資委員会(BOI)から発表される投資動向、および政治面での主要な動きを、月次まとめてお送りします。
日タイビジネスフォーラム金融委員会
1.景気動向
- タイ中央銀行の月例金融経済報告(10月31日発表、9月実績)によると、9月単月の輸出額は213億ドル(前年同月比+18.4%・前月比+4億ドル)、輸入額は188億ドル(同+42.6%・同▲14億ドル)。世界経済の変調と洪水被害が一部の分野に影響したものの、ASEAN・中国向けの輸出は堅調に推移。貿易収支については、25億ドルの黒字、9月末時点の外貨準備高は、1,801億ドル(前月比▲82億ドル)。
- タイ中央銀行は10月28日発表の「インフレーションリポート」で、洪水被害の影響が年末まで続くとし、2011年の経済成長率を前回7月時点の4.1%から2.6%に下方修正した。同時に12年の経済成長率見通しについては、内需が回復するとし、前回の4.2%から小幅修正にとどめ、4.1%とした。中銀は、原油と商品価格が下落していることを受け、インフレ率見通しを3.8%と、前回の3.9%から下向き改定した。また、10月19日、政策金利については、3.50%で据え置くことを決定した。
- タイ商業省経済指数事務局11月1日の発表によると、10月単月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比+4.19%(食品・飲料+9.86%・非食品+0.75%)で25ヶ月連続でプラス、4%台の上昇は7ヶ月連続となった。10月単月のコアCPI(除く生鮮食品、エネルギー)上昇率は、前年同月比+2.89%で24ヶ月連続プラスとなった。また、洪水被害が拡大している影響で、年末に向け消費が減退する一方、コメ生産やモノの供給量も減ると予想している。
2.投資動向
- タイ投資促進委員会(BOI)によると、2011年1~9月の外資系企業(外国資本10%以上)による投資促進申請件数は773件(前年同期比+27.8%)、投資額は2,546億バーツとなり、前年同期比+91.4%。投資額が1億バーツ未満の小規模投資申請が全体の58.2%を占めた。分野別の投資申請件数/金額は、農業・農産加工品:56件/126億バーツ、鉱物・金属・セラミックス:26件/113億バーツ、軽工業:49件/100億バーツ、金属製品・機械・自動車関係:265件/937億バーツ、電子・電気産業:152件/545億バーツ、化学・紙・プラスチック:81件/264億バーツ、サービス・公共施設:144件/461億バーツとなった。国別では、日本:413件(前年同期比+61.3%)/1,275億バーツ(同+131.3%)で件数/金額ともトップ。続いて、シンガポール42件/182億バーツ、香港:25件/115億バーツ、韓国:33件/71億バーツ、台湾:36件/62億バーツ、アメリカ:23件/51億バーツ、マレーシア:28件/48億バーツ、などとなった。
3.金融動向
- タイ中央銀行の発表によると、2011年9月末時点の金融機関預金残高は、11兆816億バーツ(前年同月比+9.8%)、貸金残高は、11兆670億バーツ(同+17.3%)となった。
4.金利動向
- (10月の回顧)ギリシャの債務問題が深刻化する中、米国経済の低迷も目立ち、安全資産としての債券需要が高まる中、タイ国債も買われた。タイ国債2年債利回りは3.6%近辺から3.2%へ、10年債利回りは3.7%近辺から3.3%に低下した。26日、EU首脳会議で債務問題への包括的な対応策が決定されるものの、債券売りは限定された。19日タイ中央銀行が金融政策決定委員会(MPC)を開催し政策金利据え置きを決定した。声明文では欧米を中心とした外部環境の悪化が目を引く。インフレ圧力は継続するが、原油価格下落に見られるようなコスト低下が圧力を緩和するとしている。世界経済悪化に、国内洪水被害も加わり、現状の政策金利を適切判断、据え置きを決めている。MPCの翌日、プラサーン中銀総裁が今後利下げもありうる旨の発言、洪水がバンコクに迫る中、タイ経済の減速懸念が強まった。
- (11月の展望)
10月の消費者物価指数は前年比+4.19%、コアインフレ同+2.89%と前月比全体指数が上昇、食料、飲料が前年比9.86%と9月の8.84%から大幅に上昇したしたことが要因となっている。洪水による品不足が影響しており、落ち着くまでしばらく時間を要する。物価上昇も、経済成長の下ぶれ要因であるが、洪水がバンコク中心部に到達するようであれば、更に経済へのダメージは大きくなる。物価は洪水の影響で上昇傾向であるものの、タイ中央銀行が金融緩和について言及しており、状況によっては緊急利下げの可能性も出てきている。国内景気に配慮、また金融市場安定のため、少なくとも当面政策金利を据え置くことが予想されることから、市場金利も上昇しにくい。
5.為替動向
- (10月の回顧)
10月初め、ギリシャ政府が財政赤字削減目標を達成することは不可能である見通しを示したことからリスク回避の動きとなり、バーツ売りとなった。3日、タイ株SET指数は5%超を越える下げを記録し、ドルバーツ相場も31.31まで進行した。ドイツのメルケル首相が欧州金融安定ファシリティーを、域内銀行の増資に利用することを言及したことから市場の不安は和らいだ。また、独仏首脳会談で債務危機対策を出すことで合意したこともあり、ユーロが買われる中、連動性の高いバーツも30.77まで買われた。国内では洪水被害が拡大、アユタヤ県の工業団地及びナワナコン工業団地が浸水するもバーツ相場への影響は限定された。バンコク北部が浸水した段階で31台に戻すものの、26日のEU首脳会議で債務問題への包括な対応策が決定され、ギリシャ国債の元本削減の民間負担率は50%、欧州金融安定安定ファシリティーは1兆ドル規模に拡大、銀行の資本増強の金額は1064億ユーロと具体的な数字が示されたことを好感。株高、商品高、アジア通貨高となりドルバーツ相場は30.49までバーツ高が進行した。円バーツ相場はドル円での円高が継続したことから0.40台で推移していたが、31日、日本政府、日本銀行が大規模なドル買い、円売り介入を実施した。ドル円が79円台に上昇する中、円バーツ相場も一時0.38台後半まで円安が進行した。
- (11月の展望)
洪水被害が拡大、バンコクが浸水する中、今後の経済への影響が懸念される。工業団地の浸水で、サプライチェーンの混乱から製造業の生産停止、減産が相次いでいる他、消費、観光への影響も深刻さを増している。タイ中央銀行は今年のGDP成長率予想を4.1%から2.6%に引き下げたが、状況によっては更なる引き下げが予想される。但し、バーツ相場は国内洪水要因より、海外要因による動きが予想される。EU首脳会議での債務問題への対応策で、市場の混乱は一服したが、予断を許す状況ではなく、バーツ相場は相関性の高いユーロ相場を眺めながら上下しそうだ。
6.政治動向
- 10月17日、労働省中央賃金委員会は最低賃金をバンコク首都圏及びプーケット県を日額最低300バーツ、その他の県については一律40%引き上げることを決めた。ただし、洪水被害の拡大を踏まえ、実施時期を当初予定の2012年1月から2012年4月に延期した。最低賃金の改定は、今後閣議承認を経て公示される見通し。
- 10月30日、インラック首相は洪水からの復旧と今後の長期洪水対策のため、9,000億バーツ規模の「ニュー・タイランド計画」を実施すると発表。1,000億バーツは工業団地復旧に、残り8,000億バーツは洪水に対する工業団地の予防措置や、水の管理の総点検に活用予定。また同月25日の閣議では、3,250億バーツの洪水被災個人・事業者向け金融支援策を決定。一方、タイ投資委員会(BOI)は洪水被害を受けた工場の新規事業や他県に移転する企業に対して、法人税を8年間免除する等の洪水被災企業向けの支援策を協議することを明らかにした。日本政府においては、浸水被害により操業できなくなっている日系企業の工場で勤務していたタイ人従業員を、一定の条件の下(6ヶ月以内、家族帯同不可等)、在籍出向の形で日本での就労を認めた。
当記事は、三井住友銀行バンコク支店がとりまとめた資料を、同支店のご好意により利用させて頂いています。
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