Logo of JTBF

 

文字サイズ:   
トップページ  JTBFの案内  タイ経済概況 Mar. 2020  タイ関連リンク集  

タイ国経済概況(2020年2月)

タイ商務省、タイ中央銀行、国家経済社会開発庁(NESDB)から発表される諸指標に基く経済動向、タイ投資委員会(BOI)から発表される投資動向、および政治面での主要な動きを、月次まとめてお送りします。

日タイビジネスフォーラム金融委員会  

1.景気動向

  1. タイ中央銀行は1月31日に、2019年12月の経済報告書を発表。タイ経済は引き続き減速傾向にあるものの、やや改善がみられた。前年同月比マイナスの指数が引き続き目立つものの、マイナス幅は収縮した。民間消費指数は前年同月比+2.1%、耐久財が不振であったがサービス消費が拡大。輸出は同▲1.7%で、前月の同▲7.7%と比べると改善。この要因について同報告書は、中国等からのタイへの生産移管が寄与し、電化製品とハード・ディスク・ドライブの輸出が増加したとの見解を示している。2019年通年の輸出は前年比▲3.2%、輸入は同▲5.4%となった。
  2. タイ工業連盟(FTI)が1月22日に発表した2019年の自動車生産台数は、前年比▲7.1%の201.4万台だった。年間生産台数200万台超えは2年連続。内訳は国内向けが同▲4.7%の97.7万台、輸出向けが同▲9.2%の103.7万台。また、2019年の国内販売台数は同▲3.3%の100.8万台、輸出台数は同▲7.6%の105.4万台だった。FTIは2020年通年の生産台数に関して、2019年比▲0.7%の200万台(輸出向けと国内向けともに100万台)程度になるとの見通しを発表。国内販売台数については、2019年から2.4%増加、輸出台数については3.6%減少すると予測している。
  3. FTIが1月22日に発表した2019年の自動二輪車生産台数は、前年比▲1.7%の253.3万台だった。4年ぶりに前年割れしたものの、3年連続で250万台の大台を突破した。内訳は完成車(CBU)が同▲5.6%の194.8万台で、完全組み立て部品(CKD)が同+13.5%の58.5万台。また、2019年の国内販売台数は同▲3.9%の171.9万台、輸出台数は同+7.1%の94.9万台で、輸出台数は2年連続でプラスを記録した。FTIは2020年通年の完成車(CBU)生産台数について、2019年比+7.8%の210万台になるとの見通しを発表している。

2.投資動向

  1. 1月13日、ソムキット副首相が2019年の投資申請統計を発表した。新規申請額は7,561億バーツで、目標額の7,500億バーツは達成したが、大型投資のあった前年からは16.2%減少となった。申請件数は1,624件。投資エリア別では東部経済回廊(EEC)地区が申請件数506件、申請額4,449億バーツで全体の59%を占めた。産業別では電気・電子が805億バーツと最も多く、自動車・自動車部品が740億バーツ、石油化学が401億バーツでそれに続いた。また、タイ投資委員会(BOI)のドゥアンジャイ長官は、国別の海外直接投資額では中国が申請額2,620億バーツで最も多く、次いで日本が731億バーツ、香港が363億バーツだったと発表した。
  2. タイ政府は1月28日の閣議において、新たな投資促進策を承認した。タイで事業を行う企業を対象に、機械導入費用の2.5倍の法人税を控除する(ただし、すでに法人税免税恩典を受け取っている企業は対象外)ほか、対象146種の機械輸入について関税を免除する。また、タイ輸出入銀行は輸出製品を製造する企業の機械購入に対し、低利融資を提供する。一社あたりの融資上限は1億バーツ。財務省は、これにより1,100億バーツ規模の民間投資を後押しできると見込んでいる。

3.金融動向

  1. タイ中央銀行の発表によると、2019年12月末時点の金融機関預金残高は20兆4,501億バーツ(前年同月比+3.9%)、貸金残高は24兆9,051億バーツ(同+3.4%)といずれも増加。

4.金利動向

  1. (1月の回顧) 1月のバーツ金利はリスクオフですべての年限が低下。月初、中東情勢への懸念でリスクオフとなる中、ドル金利低下にともないバーツ金利も低下。イランが在イラク米軍基地を攻撃したことで一段と緊迫化し、タイ国債10年物利回りは1.35%台まで低下。その後、米、イランの双方がそれ以上の軍事行動は取らないとの見方から過度な懸念が後退しバーツ金利も反発。米中の第一段階合意で約1年半に及ぶ米中貿易戦争が休戦となったが、依然一部追加関税は維持され、第二弾階合意も今年の米大統領選以降とリスクオンにはなりきれず。しかしその後発表された米経済指標が堅調な結果となり、米金利が上昇したことを受けてバーツ金利も上昇し、タイ国債10年物利回りは1.49%台に。下旬には新型コロナウイルス感染拡大による世界経済への影響が懸念されリスクオフとなる中、バーツ金利も低下。さらに中国政府による海外への団体旅行禁止等の措置でタイ観光業への影響も懸念され、バーツ金利は一段と低下。タイ国債10年物利回りは1.31%台、同5年物利回りは1.13%台と前月末対比それぞれ0.17%、0.12%低下となった。
  2. (2月の展望) 今月5日に開催されたタイ中銀金融政策委員会(MPC)では全会一致で0.25%の利下げが決定された。これにより、政策金利は1%と過去最低となった。新型コロナウイルス、予算執行の遅れ、干ばつが多くの企業と雇用に悪影響を及ぼし、今年のタイの経済成長率が従来予想を下回る見通しとなったことが背景。追加緩和期待はすぐにはないと思われるが、コロナウイルスの動向、タイ及び世界経済の動向を注視。

5.為替動向

  1. (1月の回顧) 1月のドルバーツ相場は新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響が懸念されて急騰し、昨年7月以来となる31バーツ台を回復。年末年始にかけて損失確定の売りでドルバーツは29.7台まで下落したが、タイ中央銀行の介入が入ったとみられ年明け2日には急落前の30.1台まで回復。タイ中銀の外貨準備残高は前週から57.5億ドルと急増していた。タイ中銀のウィラタイ総裁がインタビューにて、バーツ高抑制策として今後数ヵ月で資本流出規制をさらに緩和する計画があることを述べたことで下値への警戒感が出たところに、イランによる在イラク米軍基地攻撃で中東情勢が緊迫化するとドルバーツも上昇し、30.3台を回復。中東情勢への懸念が後退するとともにドルバーツも小幅下落となったが、上述の下値警戒もあり下落幅は限定的であった。15日には米中が第1段階の貿易合意に署名となったが、ドルバーツの反応は極めて限定的。その後発表された米経済指標が良好な結果となり、ドル買い優勢となっていたところに大口のバーツ売りフローが出た模様で、一時ドルバーツは30.5台を回復。しかし売り一巡後は30.3台まで下落。下旬には新型コロナウイルス感染拡大による中国経済および世界経済への影響が懸念され、ドルバーツは急騰。特にタイは中国人観光客から人気が高く、年間1,100万人訪れることからタイ経済への景況が懸念され、アジア通貨の中でも群を抜いてバーツ安となった。結果、ドルバーツは一時31.2台後半まで上昇し、31.1台後半でクローズ。
  2. (2月の展望) 今月5日に開催されたタイ中銀MPCでは、全会一致で0.25%の利下げが決定された。これにより、政策金利は1%と過去最低となった。新型コロナウイルス、予算執行の遅れ、干ばつが多くの企業と雇用に悪影響を及ぼし、今年のタイの経済成長率が従来予想を下回る見通しとなったことが背景。イベント通過後は、引き続きコロナウイルスの動向をにらみながらの展開が予想される。

6.政治動向、その他

  1. タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)が人口統計に関するデータを発表。これによれば、タイの生産年齢人口(15~59歳)は現在の4,326万人(総人口比率65%)から、2040年には3,650万人(同56%)に減少する。また、60歳以上の人口1人に対する生産年齢人口は、現在の3.6人から2040年には1.8人となる。総人口は、2028年に6,720万人でピークとなり、それ以降は毎年0.2%ずつ減少、2040年に6,540万人まで減少する見込み。
  2. 2019年にタイを訪れた外国人旅行者数は前年比+4.2%の3,980万人で、観光収入は同+3.1%の1.9兆バーツだった。国・地域別にみると中国からの旅行者が同+4.4%の1,099万人と全体の27.6%を占め最多。2位以下は、マレーシア(同+3.6%、417万人)、インド(同+24.9%、200万人)、韓国(同+5.1%、189万人)、ラオス(同+10.9%、185万人)、日本(同+9.1%、181万人)と続いた。観光・スポーツ省は1月28日の会合にて、2020年にタイを訪れる中国人旅行者は新型コロナウイルスの影響等で2019年比200万人減少するとの見込みから、その他の国からの観光客誘致を強化するとの方針を示した。


当記事は、三井住友銀行バンコク支店がとりまとめた資料を、同支店のご好意により利用させて頂いています。

詳細記事/統計データ

クリックしても開かない時は
右クリックから「対象をファイルに保存」
保存したファイルを Adobe Reader で開いて下さい。



 在京タイ王国大使館 /  タイ国投資委員会 /  タイ国政府観光庁 /  日タイ経済協力協会 /  海外技術者研修協会 /  盤谷日本人商工会議所 /  (社)日本貿易会 /