|
||||
タイのワイン吉川 和夫
タイ国で有数の企業集団であるイタルタイ・グループの総帥 Dr. Chaijudh Karnasuta は晩年には仕事から離れ趣味に没頭したいと常々言っていた。彼が73歳頃、ラオスに接した東北タイのルーイ県に広大な土地を買い求めた。海抜700から1,000メートルの平原が広がるプールア地区である。ワインつくりのためにはどの種類の葡萄がタイに適しているかの試験から始まった。赤ワイン用は Syrah 白ワイン用は Chenin Blanc と決まり、フランスのボルドー醸造研究所の指導を受け、技術者も招聘し、ワインつくりがスタートした。老体を押して彼は毎週末ルーイ県に行き陣頭指揮をした。技術者とよく議論していた。夢は広がっていたのだろう。観光客用の宿泊設備も自身で設計施工した。夫人もよく同行していたし、筆者も誘われて何回か訪問した。後年本協議会の会長の太田大使はルーイ県の観光地を含め、このワイナリーを訪問されている。製品は1996年より市場に出した。Dr. Chaijudh の熱意が反映してワインの評判は良く、知名度も上がった。ASEM晩餐会の評価も追い風となり、輸出も少量ながら始まった。日本向けは Singha ビールの代理店である池光エンタープライズ社の社長夫妻がワイナリーに飛び、品質を確かめ、Dr. Chaijudh の意気に感じて輸入を開始してくれた。
前述ASEM会議での評価を見て多くの企業がワインつくりに参入した。折からの一村一品運動が後押しをしたため、1・2年内に多くのブランドが市場に登場した。他国のワインを輸入してブレンドして販売しているところもあると聞く。現在タイ国内で出回っている国産ブランドしては “カオヤイ・ワイン” “PB バレー” “モンスーンバレー” “シャトン“ “サラ・ワン” 等である。日本にもシャトウ・ドゥ・ルーイのほか2・3のブランドが輸入されている。タイレストランでタイ好き人間に迎えられている。リッカーショップで他国産に対抗するほどの値段になっていない。タイ国内ではワインに対する法的措置も充分整っていない。瓶、コルク等も未だ外国より調達する必要があり不利な条件が付きまとう。常夏のタイ国では年二回葡萄が実ってしまう。乾季に実る質の良い葡萄を使う必要があり、品質管理は充分な配慮が必要である。温度管理にも費用がかかるようで、熱帯国固有の苦労も伴う。 然し英国のウィスキー、仏伊のワインに席巻されていた市場に、客筋が違うとは言え、ウィスキーもワインもタイ国産が出現した。ビールは元々鮮度が物を言うのでタイ国産が有利であるし、上戸には段々と選択の幅が広がり行く。タイ国で国産ワインは200~400バーツで売られている。蓼食う虫も好きづきと言うと失礼だがメコンウィスキーを愛飲される某国のプリンスもおられる。好みは理屈では説明できない。惚れた目で見りゃ痘痕も笑窪とも言う。未だ試飲されてない方はタイワインを賞味されたら如何でしょうか? 又ロングステイでタイ国に在住される方は日本人が余り行かないルーイ県を訪問されたら如何でしょうか? 昔のタイが多く残っています。プールア国立公園の近くにワイナリーがあります。 (日タイ ロングステイ交流協会 Newsletter Dec.2006 No.5 に掲載) |
||||
|
在京タイ王国大使館 / タイ国投資委員会 / タイ国政府観光庁 / 日タイ経済協力協会 / 海外技術者研修協会 / 盤谷日本人商工会議所 / (社)日本貿易会 / |
||||