「私がおすすめするタイの旅」
☆☆私がおすすめするタイの旅(1)☆☆
メーホンソンの旅
JTBF会員: 西條正和
2011/01/01
メーホンソンは北部タイ、タイの僻地といってもいい所にあります。チェンマイを基点としてメーホンソンに行くには、一日4便出ている航空便か(所要時間30分)、南回りバス(メーサリアン経由所要時間8時間半)か北回りバス(パイ経由所要時77時間半)を利用します。時間的に余裕があり、普通の観光地とは全く異なる本当のタイの裏側に興味があり、タイを真に理解したい人に向いているツアーです。また駐在員も含めてほとんどの人が知らないことですが、メーホンソンはタイの中でも最も日本と関係の深いゆかりの地であるということです。
これまで十数回メーホンソンを訪問してきましたので、知りえた情報を紹介してみたいと思います。
交通手段
- 現在航空便は一日4往復便のノックエアーが飛んでおり、33人乗り小型機で30分。
3~4月には県全体で山火事が発生して、盆地に位置する空港が視界不良になり欠航することが多い。
- チェンマイからバスで7時間半から8時間半と、南北回りがそれぞれ1日2便出ています。
- 国道は一応整備されていますが、北回りは国道1095線(旧日本軍が物資を運ぶため開拓した白骨街道と呼ばれる道路で日光のいろは坂のような山道)、南回りは比較的平坦地を通りますが、それでもメーホンソン県に入ると相当の坂道が続きます。
メーホンソン県の見所
- メーホンソン県は南北200KM以上細長いタイ最北部の県ですが、その人口は25万人程度、95%が深い山々で覆われたタイ随一の僻地で、多くの山岳民族が生活しています。ある意味ではタイの一般の人も全く知らない世界がひろがる所で、最初に訪問した際、同行したタイ人でさえすっかり驚いていた事を覚えています。
- 見所として最初に挙げたいのは、メーホンソン市内から南60KMに位置するクンユアムの町にある旧日本軍戦争博物館です。クンユアムはインパール作戦に従軍した前線基地で、近くには野戦病院として使われたお寺もあり、多くの日本語の慰霊塔も残されています。各地にある戦争博物館は日本軍の非情さを強調したものが多いのですが、ここの博物館は村人と日本軍の心温まる深い交流がベースになっており、かってこの地の警察署長が私財を投じて作られた博物館で、日本人なら是非一度は訪問したい所です。近くには日本軍が物資を運ぶために作られた滑走路もそのままの姿で残っています。
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メーホンソンを訪れる観光客は少なく、トレッキングでファラン(欧米人)がたまに見られる程度ですが、メーホンソンで欠かせないのが、山岳民族カレン族の一部の首長族の村への訪問でしょう。3箇所ありますがメーホンソンの市内から30分くらいで行くことが出来、2~3時間の時間が必要です。私が所属する協会でバン・ナ・ソイという村の学校に図書館を建設寄贈したことがありますが、この首長族が住んでいる地域に含まれます。その節、首長族の子供たちが民族舞踊で歓迎してくれたことがありました。
- その他にもメーホンソンには幾つかの見所があります。ワット(寺院)は幾つかありますが、バンコクのワットとは多少異なり、いたるところにミャンマーの文化・様式が取り入れられていることが分かります。ワット・プラ・タートはメーホンソンの市内が一望できるドーィ・コンムーという山の上にあり、西にはミャンマーに続く山々を見渡すことが出来ます。
- また国道1095線に沿ってパイからメーホンソンに向かって、プークロン・プーナムという温泉やタムロートと呼ばれる巨大な鍾乳洞、また国立公園の中にあるタム・プラーという小さな洞窟の中に、鯉に似た巨大な魚が群生している観光地も人気がある場所です。時間に余裕があれば見ておくことも他のタイでは経験できない場所です。
- しかしながら折角タイの僻地のメーホンソンに足を踏み入れるのであれば、一般の観光客の行かないところで安全な山岳民族の村を観光局に紹介してもらい、村人との交流や、また山奥にある学校を教育局の許可を得て、子供たちと交流するのも一考すべきでしょう。
- メーホンソン県にはカレン・リス・ラフ・中国国民党残党・タイヤイ等いくつもの少数民族が、至る所に生活の居を構えています。これらの地域については普通車で行動することは難しく、四輪駆動車でないと行けない所も多く、観光局や教育局の協力と理解を取る必要があります。これらはまさにウルルンの世界を体験できるものです。
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メーホンソン県バン・クッド・サムシップ校に寄宿舎2棟を寄贈(2005年2月) |
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メーホンソン県バン・ナ・ソイ校に図書館を寄贈(2007年2月) |
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クンユアム郊外のカレン族の学校(2学年が一つの教室を共有) |
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第6次プロジェクトの調印式風景(メーホンソンに4教室の校舎寄贈) |
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クンユアムの戦争博物館前にある慰霊塔 |
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白カレン族の村の風景 |
了
(埼玉・タイ王国友好協会副会長)