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日タイビジネスフォーラム (JTBF)

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タイ国に駐在経験のある日本人ビジネスマン(現役&OB)が個人の立場で参加しています。これまでの日本・タイ国両国におけるビジネス経験を生かし、両国間友好関係の促進に寄与したいと考えています。


sketched by H. Murata
Chao Phraya River, Samut Prakan


リレーエッセイ 第36回配信

2025年10月01日配信
JTBF 広報委員会

JTBF会員の皆様、こんにちは。

退会された谷口武彦委員長に代わって7月末から工業委員会をまとめて行く事になりました長谷川亨です。よろしくお願い致します。

30歳代前半~50歳代前半にかけてアジア4ヶ国(台湾、インドネシア、UAEドバイ、タイ)に計約16年間、日産自動車の海外生産・販売子会社に赴任し、主に東南アジア、中東地域の社長業を転戦していました。その最後の赴任地がタイで、バンコクに2009年~2012年にかけて駐在しておりました。

日産がエコカープロジェクトのトップバッターとして導入したNISSAN 「MARCH(マーチ)」、「ALMERA(アルメーラ=サニー)」でタイ政府と共にエコカーブームを成功裏に切り開く事が出来た事もあり、また一方で、タイ日産自身の企業再生含めて常に難易度の高い準備と多方面を巻き込む改革・チャレンジ・リードが必須だった事もあり、タイは私の日産ビジネス人生で最も深い思い出、強い思い入れのある国です。

日本では決してお目にかかれないような首相と30分間も時間を頂いて直に話す事が出来たり(民主党政権下のアピシット首相)、日本にお見えになった時に迎賓館でのミーティングに参加させて頂いたり(インラック首相)、官民コミュニケーション間の敷居の低さもタイ王国ならではのフレンドリーさかと思います。

帰国後もアジア・パシフィックを中心とした担当でしたので、タイには2016年頃まで頻繁に出張していました。それから約10年の月日が経ち、タイのクルマ業界もEVが徐々に浸透し始め、中国企業が日本車のシェアを奪い、かなり景色が変わりつつあります。航続距離が長くなったEVは自宅に充電環境を整え易いタイ市場では日本市場よりは使い易い商品だと、タイ王国日本大使館工業部のキッティパン前公使参事官も話されていました。

昨秋に別の仕事で上海に出向きましたが、世界中でこれほど日本車が走っていない国はないと驚愕すると共に、中国製品の基本品質の大幅な向上、ハード・ソフト両面での商品力のスピード感ある向上やコスト競争力は、正に目の前に迫った日本のモノづくり産業への脅威だと痛切に感じました。日本企業にはHEV(ハイブリッド)、EV含めて更に商品開発力の引き上げを急ぎ、決して周回遅れとならないように頑張って行って欲しいです。

大使館工業部の公使参事官も7月からキッティパンさんからポーンタワットさんへ交代となり、7月7日に両名へのご挨拶へ出向いて参りました。JTBFに好意的な工業部もトップが代わり、最初の数ヶ月はバタバタなタイミングかと思われます。まずはボランティア組織として動き出した新生JTBFへの要望を確認し、サポートすべきタスクを具体的に明確にし、限られた小さな事柄でも確実に何らかの貢献が出来るように、公使補佐の上野さん・内田さん両女史も含めてコミュニケーションの頻度/質を改善していきたいと思っています。

スコープもクルマに加えて野澤さんや長谷部さんがご専門の化学・バイオ系関連産業等にも広がりを出していければと考えています。クルマも日産グループのタイ駐在経験者等含めて積極的に声をかけ、JTBFへの参加メンバーを増やして行ければと思います。

タイの仕事から離れて月日が経つので、少しずつキャッチアップして、活動を意味あるものにしていきます。是非よろしくお願い致します。

 

 

2025922日 長谷川亨 元タイ日産自動車会社社長