Logo of JTBF

Japanese | English

日タイビジネスフォーラム(Japan-Thailand Business Forum)


タイ国に駐在経験のある日本人ビジネスマン(現役&OB)が個人の立場で参加しています。これまでの日本・タイ国両国におけるビジネス経験を生かし、両国間友好関係の促進に寄与したいと考えています。


Bangkok in Old Days
先月に引継ぎ戦勝記念塔(航空写真)。周囲にビルが殆どないのに驚く。完成直後だろうか?


トップイメージ・バックログ

2018/2/14  タイ国経済概況更新
2018/2/1  唐船風説書 第11回配信(下記)
2017/9/11  タイ日工業大学10周年記念式典に参加してを「提言・報告」に追加しました。
2016/7/26  JTBFの案内更新
2015/9/15  JTBFは小冊子2冊を刊行しました(当トップページにて案内)。

唐船風説書

第11回 2018.2.1 配信
JTBF 広報委員会

タイとの交易は、御朱印船の時代(16世紀末から17世紀始め)、当時の王都であり国際的な港湾都市として繁栄したアユタヤとの間で盛んであった。その後鎖国によって交易は途絶えたと思われがちであるが、実際は唐船を介して継続していた。唐船は中国沿岸はもとより遠く東南アジアと長崎を結び、その船乗りの口述記録は「華夷変態」(1644~1724 林春勝と林信篤の編纂)に納められている。その中から東南アジアを出航地とした記録を拾い上げ英訳したのが「The Junk Trade from Southeast Asia」で石井米雄氏(京大名誉教授、故人)の執筆による。JTBF 広報委員会は、この本に触発され、華夷変態から特にタイを出航地とした記録を抽出して現代文に訳して紹介していきたいと考えている。出航地はシャム(アユタヤ)、リゴール(ナコン・シータマラート)、パッターニー、ソンクラーである。シャムとリゴールは山田長政ゆかりの地でもある。


元禄二年(一六八九) 四十五番リゴール船の唐人共の口述

私共の船は、シャム国の内リゴール(注①)と申す所で積荷をし、唐人六十二人が乗組んで、当五月二日に彼地を出船して渡海して参りました。私共の船の外に友船はございませんが、厦門からリゴールへ渡海して来ていた船があって、彼地で聞いたところでは厦門へ帰帆する筈とのことでしたが、途中の海上で思案が変り、直にご当地へ渡海してくることが無いとは言い切れません。その外には別に来朝の船はございません。リゴールを出船して以来、洋中で変ったことはございませんでしたが、五月十三日に広東の沖で東北の悪風に逢い、大事な帆柱を損じてしまいましたので、やむなく船上に積んでいた蘇木(注②)や黒砂糖の類を少々海へ捨てて難風を遁れました。その後は海上も順風になりました。異国の洋中で逢った船もございません。当湊に近づいてから唐船五艘を遠くに見かけました。そのうちの二艘は私共の船と前後して入津しました。残りの三艘も今明日の内には着津することでしょう。渡船の途中日本の地は何処にも船を寄せることなく、直に今日入津しました。本船の船頭は陳雄観、ならびに脇船頭は張都官、二人共に始めてご当地への渡海でございます。乗ってきた船は一昨年の六十二番船でございます。

次にリゴールのことですが、シャム国の内、シャムより海路三百里程隔てたところです。ここに屋形(注③)がおりまして、この屋形は、以前シャム国の高官に日本人がおって(注④)、その身は亡くなって多年になりますが、その子が只今リゴールの屋形になっておるのでございます。諸事リゴールの統治は良好で人民は安堵しております。隣国との攻めあいも無く数年来きわめて静謐でございます。その外変わった事は少しもございませんので、付け加えるべき風説はございません。

 右の通り唐人共が申すに付き、書付け差上げ申しあげます、以上。
 巳六月二目 唐通事共

注① ナコン・シータマラートにあった王朝、アユタヤ王朝に服属した。
注② マメ科の小低木、スオウの別称。漢方薬に用いる生薬の一つ。
注③ 国王の日本語名
注④ 山田長政と断定できると思われる。「The Junk Trade from Southeast Asia」でもそうしている。長政はアユタヤー王朝の国王ソンタムの信任を得ていたが、王の死後、プラーサート・トーン王の意に逆らってリゴールに左遷され、そこで戦死した。没年1630年とされる。


元禄二年(一六八九) 四十六番シャム船の唐人共の口述

私共の船は、シャム国で積荷をして、唐人百六人が乗り組んで、当四月十五日に彼地を出船して渡海してきました。今一艘同所を出航した船がございまして、やがて来朝することでしょう。当湊の沖で前後に唐船五艘を遠くに見かけました。二艘は私共より先に入津しました。三艘後に見えたのも今明日の内には入津することでしょう。右の内、私共と同じくシャムを出航した船が後の三艘の内におったかもしれませんがは見分けることは出来ませんでした。今度の渡船中海上で変ったことはございませんでした。シャムを出船してから川口において四月十九日にオランダ船二艘がシャムへ入津するのを見ました。定めてご当地へ赴く船ではないかと存じあげます。その外は何船にも逢いませんでした。もっとも海上で一両度大風に逢ったため、帆柱など少々損じて難義し危い目に逢いましたが、さいわい難風を遁れることができ渡海して参りました。このところ洋中順風に恵まれ日本の地は何方へもを船を寄せず直に入津しました。本船頭の徐森官は、一昨年百七番船の船頭として渡って来た者です。脇船頭の徐乾官は去年百五十二番船の脇船頭として渡海してきました。乗ってきた船は、四年前寅年の八十二番船でございます。

シャムの屋形が去年病氣になり、六月に逝去されました。亡くなる前の病中、その身も必死に後継を検討されましたが、王子もいなかったので、執権の官勅柏喇喋(テウパアラアツア)という者に国を預け置かれましたが、間もなく屋形が逝去して右の執権が位につきシャムを領しておられました。そうした折、二三所に配備されていた兵権の官共が帰服しないで叛逆に及び、よって当正月にシャムより人数四万程が征伐に差向けられました。どのような計略があったのか先ず一ケ所の大将が軍戦にも及ばす捕えられ、その為残りの大将共も少々ひるんだところに、シャムの出家大和尚が出てきて説得にあたり、二三所の兵官共が皆々降参して何事にも至りませんでした。生捕られた大将も許され別條なく、只今はいよいよ右の勅柏喇喋が屋形におさまり国中も静謐でございます。この外は変ったこともなく申上げることはございません。

 右の通り唐人共が申すに付き、書付け差上げ申しあげます、以上。
 巳六月二目 唐通事共

文責 奥村紀夫(JTBF 会員) 

先月までの「トップ寄稿記事」⇒バックナンバー



JTBFでは、2015年8月に設立以来初めて小冊子二冊を刊行しました。
その後の刊行も含め現在は四冊になります。


  1. 「Bangkok in 1960's」―副題「バンコクの今昔」


    1960年代から半世紀に亘るタイの激しい変化を垣間見る貴重な写真集です。50年前の長閑なバンコクやその近郊の風景は今や昔話の世界となってしまい、現代タイの人々にとってもおそらく懐かしさがこみ上げてくる風景と思います。これ等の貴重な写真は、JTBF特別顧問の吉川和夫氏よりご提供頂きました。Part1では、50年前、初めて氏がタイに赴任した時に撮影した写真と同じ場所・アングルで、最近再撮影して比較したものであり、Part2では当時の貴重な庶民の生活が活写されています。

  2. 「タイローカルの旅」


    旅は「出会い」と言われます。「自然との出会い」「人との出会い」「歴史との出会い」そして「自分との出会い」。その出会いは「幹線旅行」より「ローカルの旅」にこそ、この「出会い」に遭遇するように思われます。
    この10年間余、JTBF観光委員会のメンバーが中心となってバンコクやチェンマイ等の大都市への旅ではなく「タイ・ローカルの旅」こそ、日本人の「心の琴線」に触れる旅が出来ると確信し、タイ国観光庁(TAT)東京事務所と地道に共同で開発した「タイ・ローカルの旅」の会員紀行文、並びに  「お勧めのタイローカルの旅」を纏めた冊子です。

  3. 「アユタヤ歴史遺産の旅」


    現在の日本人向けアユタヤ観光の定番ルートは、「世界遺産アユタヤ遺跡」を標榜しているものの、アユタヤ歴史研究センターも、日本人町も、ましてやポンペット遺跡も含まれていません。魅力あふれるアユタヤの歴史全体を日本人にもっと知ってもらうために、この三ケ所をルートに含む観光ツアーの開発が望まれます。
    そんなことをテーマに、2016年2月28日、JTBF観光委員会、泰日協会有志10名で小旅行を実施しました。その記録を纏めたのがこの冊子です。

  4. 「タイローカルの魅力を訪ねて」


    今回、タイ国誕生と言われるスコータイ王朝そしてほぼ同じ時期に栄え、その後のタイ歴史の形成に大きく関係してきたハリプンチヤイ王朝、ランナータイ王朝の古里を旅しました。
    旅とは「出会い」である。「人」、「自然」、「歴史」、そして「自分」との出会いである。過去の「タイローカルの旅」とはまた違った、私たちが今まで追求してきた「旅は出会い」の様々な「心に残る風景」が今回の旅には多くありました。


この4冊の小冊子が皆様のタイ国に対するご理解に少しでもお役に立てば、私共JTBFの無上の喜びとするところであります。

尚、本冊子ご購入のご希望がございましたら、以下のURLにアクセスして頂き、お申込み下さい。

「Bangkok in 1960's」と「タイローカルの旅」は1冊1,000円、「タイローカルの魅力を訪ねて」は1冊900円、「世界遺産アユタヤ遺跡」は1冊800円にてご購入頂けます(各冊子合わせて6冊以上ご購入の時は割引価格となります)。代金を受領後、「ゆうメール」(郵送料無料)ないしは「ゆうパック」(ゆうパックは別料金400円)にて、10日以内に配送致します。

https://ss1.coressl.jp/booklet.jtbf.info/form.php





 在京タイ王国大使館 /  タイ国投資委員会 /  タイ国政府観光庁 /  日タイ経済協力協会 /  海外技術者研修協会 /  盤谷日本人商工会議所 /  (社)日本貿易会 /