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バックナンバー 2012-01

「私がおすすめするタイの旅」

タイならではの花と旅 2題

先月はドリアンの花を観賞する旅をおすすめした。引き続きタイならではの花とそれを愛でる旅を紹介したい。

2012/1/01


☆☆☆沙羅の花いろいろ

JTBF会員:深海八郎(元NYKタイランド社長)

~WatNiwetThamaprawatでの出会い

お釈迦さまが入滅された時にはらはらと雨のように花弁を散らしたというインドの沙羅の樹。沙羅双樹は仏教に縁の深い我々日本人にとっては忘れられない樹。有名な「平家物語」の冒頭の文章、
  祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり。
  沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。
で耳に親しい花でもあります。

その沙羅の花に出会ったのがワット・ニウェート・タマプラワット、夏の宮殿で有名なパン・パイン・パレスに隣接する寺院、キリスト教会風の建物も美しい。その後の調べでこの寺院の沙羅の木は "Lanka-SalaTree" と言ってインドの "India-SalaTree" は別物。果たして本物の沙羅の樹はタイにはあるのだろうか。是非沙羅の花めぐりの旅を企画してもらいたいものです。タイのこれから期待したい観光ポイントのひとつです。

ワット・ニウェート・タマプラワットで撮影した可憐な沙羅の花と一緒にこの記事をお届けします。なお過去に寄稿した関連記事をご参考までに。




☆☆☆タレーノーイの睡蓮

JTBF会員:吉田研一(元三井東圧化学タイランド社長)

バンコック中央駅を午後発の急行列車に乗ると、約16時間かって翌日早朝に南タイ、パッタルン県のパーククローン駅に着く。そこから車で少し行くと、ナコーンシタマラート、パッタルン、ソンクラーの3県にまたがっているソンクラー湖沼群の北部に位置する淡水湖タレーノーイがある。

ここは野鳥の宝庫で野鳥保護区に指定されているが、それよりも湖面一杯に広がる睡蓮が見事である。尾長モーターボートに乗り、鏡のような水面を滑るようにしばらく行くと、赤、紫、黄、白色の花を咲かせた睡蓮の広大な群生地に着く。

どうするのかと思っていると尾長モーターボートはそのまま睡蓮が密生している中へ突っ込んで行った、少し速度を落としているとはいえ、これには吃驚した。睡蓮がスクリュウで切り取られ、ボートが通った後は無惨ではないかと振り返ると、水面がゆっくりと元にもどり、睡蓮もゆっくりと花と葉で水面を元のように覆いはじめている。

日本ではこんな乱暴なことしないだろうと不思議な思いをしながら、見渡す限り睡蓮で覆われた睡蓮の花畑をボートはポンポンとエンジンの音を出しながらかき分けて進む、現実離れした、それこそ夢のような世界で、湖面の涼しい空気を胸いっぱいに吸い込みながら通り過ぎてゆく睡蓮に見とれた。

その後、ボートは水草の中を走ったり、水牛が寝そべる泥地や野鳥の群れに近づいたり等々、2時間近く走り続けたが、睡蓮の花畑をかき分けながら走り廻った景観が一番印象に残っている。

タレーノーイはタイ一番の睡蓮の名所であると共に、一番のおすすめ観光スポットである。写真左は湖畔にあるサーラー、そこからボートに乗る。群生する睡蓮、睡蓮の中をボートは進む。