Logo of JTBF
トップ・ページ  バックナンバー・リスト
文字サイズ: 

バックナンバー 2012-02

「私がおすすめするタイの旅」

スコータイ

JTBF会員: 加藤寛二
2012/2/01


スコータイは観光地として既に定評がありますが、やはりタイ民族初の統一国家スコータイ王朝が誕生した地としての親しみと、200年に亘る王朝の繁栄のなかで築かれた独自の文化に触れることが出来る地として、その魅力は尽きないようです。特にスコータイ全体の何とも言えない落ち着いた雰囲気は、訪れる人達にやすらぎを与えてくれます。私自身としても、初めて訪れた時の感銘が忘れられないのがこのスコータイです。

タイ観光庁ホームページのスコータイ紹介でも、悠久の歴史に思いをはせる遺跡群としてスコータイ歴史公園を紹介しています。

三重の城壁に囲まれたスコータイ旧市街とその周辺には、大小200以上の遺跡が点在し、歴史公園として整備されています。クメール文化をもとに生みだされた独自の様式による寺院建築の数々は、遺跡となった現在でも往時の荘厳さを偲ぶことができます。右写真。

スコータイ王朝では仏教を手厚く保護したため、1万体を超える仏像が残されており、行く先々の寺で微笑みの仏像に会うことができるのがその魅力の1つです。スコータイ独自の仏像として見逃せないのは遊行仏です。その一歩踏み出した姿は悟りを開いた仏陀が人々に歩み寄る姿を表していると言われています。

この遊行仏の教えを広めたのはスコータイ王朝第3代のラムカムヘン王であり、王はまたスリランカから来た仏教を国中に広め、タイの仏教の礎を開いた。つまりタイの仏教の起源はスコータイにあることからも、スコータイの仏像や寺院の特徴は見逃すことができません。

ラムカムヘン王は自ら考案したタイ文字で刻んだ碑文を残しており、これは遊行仏とともにスコータイ独特の文化遺産であり必見の価値があります。

下の写真は仏塔の台座の下に彫られている遊行仏。ウェブページスコータイ遺跡にあるワットマハタートから引用しています。



往復のどちらかで近隣のピサヌロークとピマイ遺跡を訪れることを推奨したい。ピサヌロークもピマイもスコータイと同様にクメール様式の建造物が数多く見られ、特にピマイには「タイのアンコール・ワット」と言われるほどアンコール・ワットそっくりの建造物が見られるのは興味深い。スコータイ王朝の前のアンコール文化の影響が色濃く残っているのが見所です。


(元富士通タイランド社長)