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バックナンバー 2022-07

リレーエッセイ

第7回 2022.10.1 配信
JTBF 広報委員会

久しぶりのタイ


 タイに行きたいと思いつつコロナ禍が一向に改善せず、3年近く行けなかったタイに行って参りました。

 6月初旬泰日工業大学での特別講演を引き受けたことでタイ行きを決意。当初日本ではコロナ感染者が増え続けている時期 タイ行きが実現するか不安でした。飛行機とホテルはほとんど予約が入ってなかった。こんな不安の中で講演資料を作成し、8月中旬には完成。折角、タイに行くなら 観光もしたいと考えタイ人の友人に依頼すると いつも通りの明るさで現地観光を手配してくれ、あっという間に全日程が確定。

 次にやることは 日本・タイでの出入国手続きを簡素に通過するための備え、ワクチン接種証明書、陰性証明書を携帯のアプリに保存。すべてが完了したのは出発3日前。

 久しぶりのタイへいざ出発。準備が良かったのかは定かではないですが 東京・バンコクのどちらの空港でも全く問題なく スムースに通過できました。

 バンコク市内では 馴染みの店が殆どなくなり、シャッターが閉まる店が目立ち 名物の屋台もないのは驚きました。更に物価高には目を丸くするばかり。訪問先によっては 抗原検査の陰性証明を事前に送ることが義務付けと言われる会社もありました。

Suphanburi 寺院にて

 今回の観光は Suphanburi、バンコクから西北方向に車で2時間ほど。様式が異なる寺を8カ所回りました。仏像が何体も並ぶ前で 線香・ローソク・蓮そして金箔は変わらない。今回休日にも関わらずタイ人ばかり外国人観光客は少なく 各所でゆっくり散策しながら私の健康維持を祈念。気分がすっきりしてバンコクに戻りました。

Samut Prakan シティタワーより

 翌日は Samut Prakan,  新しくできたシティタワーに上り 360度のパノラマ展望を堪能。遠くにバンコク市内の高層ビル 雄大なチャオプラヤ川が迫ってくる、眼下のBTSのラインがおもちゃのように観え ふと30年前のことを思い出しながら その変貌ぶりに感慨深いものがありました。30年前の事 有名な鰐園の隣に工場を建設、従業員は皆ゴム草履 昼食では ハエを追い払いながらの食事するとても綺麗と言えないお店。今はもうないのでしょうか。パノラマからは昔を思い出せるようなところは何ひとつありません。今回の昼食はリゾート風レストラン。衛生的で ギターの生演奏、美味しいタイ料理をいただき チャオプラヤ川を観ながら昔話。

 話は大きく変わり泰日工業大学のこと。特別講演は 専門科目物質工学の1コマを担当。

 演題は「カーボンニュートラルに向けた新技術と物質」。再生可能エネルギー・水素アンモニア・次世代電池と電気自動車・バイオ技術など多岐にわたりました。現状の日本の革新技術に加え タイ国内の開発状況を織り交ぜて紹介。学生は工学部3,4年生。20名ほどで対面とオンラインを併用。自動車工学専攻の学生が多かったので 電気自動車、燃料電池車の話しに最も興味を示しました。楽しみながら講演できました。私は、今回のことで ひとりでも多くの学生達が少しでも日本のことを理解し興味を持ってくれれば満足です。大学構内は 学内の一部を立ち入り禁止区域があり、学生数も3年前の半分くらいしかいないなど静かな印象でした。今は対面授業とオンライン授業を学生による選択ですが、実習実技授業も再開できたと専任講師から話を聞きました。来年も何かのお手伝いができればと思いつつ大学を後にしました。

 久しぶりにタイに行き 現地の人と旧交を深め 以前と少し変わったタイ王国を堪能し 無事帰国しました。

文責 野澤俊夫 (JTBF 教育支援委員会 委員長) 

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