Logo of JTBF

Japanese | English

文字サイズ:   

日タイ・ビジネスフォーラム(Japan-Thailand Business Forum)


タイ国に駐在経験のある日本人ビジネスマン(現役&OB)が個人の立場で参加しています。これまでの日本・タイ国両国におけるビジネス経験を生かし、両国間友好関係の促進に寄与したいと考えています。


Bangkok in Old Days
一般中国人の居住地区の典型的家並みである。一階で雑貨を売っている家もあったが、多くは居間用に使い、二階は寝室。


2019/5/14  タイ国経済概況更新
2019/5/1  唐船風説書 第26回配信(下記)
2018/3/31  2018年Foodex-Thai Boothを視察してを「提言・報告」に追加しました。
2017/9/11  タイ日工業大学10周年記念式典に参加してを「提言・報告」に追加しました。
2016/7/26  JTBFの案内更新
2015/9/15  JTBFは小冊子2冊を刊行しました(当トップページにて案内)。

唐船風説書

第26回 2019.5.1 配信
JTBF 広報委員会

タイとの交易は、御朱印船の時代(16世紀末から17世紀始め)、当時の王都であり国際的な港湾都市として繁栄したアユタヤとの間で盛んであった。その後鎖国によって交易は途絶えたと思われがちであるが、実際は唐船を介して継続していた。唐船は中国沿岸はもとより遠く東南アジアと長崎を結び、その船乗りの口述記録は「華夷変態」(1644~1724 林春勝と林信篤の編纂)に納められている。その中から東南アジアを出航地とした記録を拾い上げ英訳したのが「The Junk Trade from Southeast Asia」で石井米雄氏(京大名誉教授、故人)の執筆による。JTBF 広報委員会は、この本に触発され、華夷変態から特にタイを出航地とした記録を抽出して現代文に訳して紹介していきたいと考えている。出航地はシャム(アユタヤ)、リゴール(ナコン・シータマラート)、パッターニー、ソンクラーである。シャムとリゴールは山田長政ゆかりの地でもある。


元禄七年(一六九四) 六十一番シャム船の唐人共の口述

私共の船は、シャム王様の指示のもとに積荷を調え、彼地において唐人が百三人シャム人が上下三人、都合百六人が乘組んで閏五月六日に友船無く、シャムを出帆して渡海して参りました。後続の船は無く私共の船一艘のみでございます。渡船の途中洋中で変わったことは無く、何船にも行逢うことがありませんでした。海路乘り筋も良く難風にも逢うこと無く、順調に滯り無く渡海して参りました。日本の地は何国にも船寄せること無く、直に今日入津致しました。船頭江景官ならびに乗り渡って来た船共に、去年の七十五番の船人でございます。

次に大清安否の樣子ですが、シャム国は大清の外国ですから委細は存じません。しかしシャム国は以前からのしきたりで大清へ貢礼しております故、往来の船の便りで(大清の)何国も静謐であると聞いております。そのシャム国も今年に至り格別清寧でございます。去年迄はシャム属国のパッターニーと申す国が、シャムへの貢礼を止め少々異心を挟んだので、シャムより征討の兵船を指向け、勝劣のわかちもなく久しく対峙しておりましたが、パッターニーも少々ひるんだのか去年和談に成り、以前の通りシャムへ貢礼を再開したので寧清に成りました。シャム兵卒軍船も和談を幸に皆々引上げましたので、商船の往来は弥々もって別状ございません。またシャム近国のカンボジアも平安でございます。ご当地へ商船を差し向けたい意向はありますが、在国の商船は皆々小船でご当地へ荷物を積渡る程の船はございませんので、当年はカンボジア仕立ての船は無いとのこと、これはカンボジアからシャムへ渡ってきた唐人共の話でございまして、従ってカンボジアからの渡船は無いものと思います(注①)。以上申し上げたことの外、変わったことはございません。

 右の通り唐人共が申すに付き、書付け差上げ申しあげます、以上。
 戌六月廿七日       唐通事共


注① カンボジアを本拠地とする船は無いということで、次の六十二番船のように、他港から立ち寄って商品を調達する船はあった。


元禄七年(一六九四) 六十二番カンボジア船の唐人共の口述

私共の船は、当正月に漳州(注②)よりカンボジアへ渡り、そこで積み荷を仕立て、唐人三十八人が乗り組んで、閏五月十三日に友船もなく私共の船一艘のみで出帆して渡海して参りました。カンボジア本地仕出ての船は一艘もごもございません。外に後続の船がもう一艘ございまして、この船は広東からカンボジアへ渡りその後ご当地へおもむく筈で、私共の船には少し遅れて彼地を出船した筈でございます。やがて来朝することでございましょう。この船と私共の船と二艘がご当地へ渡ってくる船でございます。カンボジ本地仕立ての船も有る筈でございますが、いずれも小船で、ご当地へ荷物を積み渡る程の船は無く、従って本地仕立ての船はございません。今度の海上、変わったことはありませんでしたが、私共の船の乘り筋が悪く海路に日数を費やしました。上述閏五月十三日にカンボジアを出船し、六月廿日に漸く普陀山に船を寄せ水薪等を調え、同廿三日に普陀山を乗り出し渡船して参りました。海路において何船も見かけることはありませんでした。勿論日本の地何方へも船を寄せること無く、直に今日入津致しました。船頭徐盛官は、十二年前にご当地へ渡ってきた者でございます。乗り渡ってきた船は去年の二十六番船でございます。

次に大清の今年の安否ですが、カンボジアは大清の外国でございますから委細はわかりません。大清の地より来朝の船から具に申し上げていることと存じます。カンボジアは去年迄は清寧に程遠く数度乱逆がございましたが、今年に成ってからは異変は少しもなく国中安寧でございます。大清の地より私共の船等が数艘渡ってくる外他所から渡ってくる商売船もございません。外には聊かも変わったことはありませんので、申し上げることもございません。

 右の通り唐人共が申すに付き、書付け差上げ申しあげます、以上。
 戌七月四日       唐通事共


注② 福建省南東部に位置する


文責 奥村紀夫(JTBF 会員) 

先月までの「トップ寄稿記事」⇒バックナンバー



JTBFでは、2015年8月に設立以来初めて小冊子二冊を刊行しました。
その後の刊行も含め現在は四冊になります。


  1. 「Bangkok in 1960's」―副題「バンコクの今昔」


    1960年代から半世紀に亘るタイの激しい変化を垣間見る貴重な写真集です。50年前の長閑なバンコクやその近郊の風景は今や昔話の世界となってしまい、現代タイの人々にとってもおそらく懐かしさがこみ上げてくる風景と思います。これ等の貴重な写真は、JTBF特別顧問の吉川和夫氏よりご提供頂きました。Part1では、50年前、初めて氏がタイに赴任した時に撮影した写真と同じ場所・アングルで、最近再撮影して比較したものであり、Part2では当時の貴重な庶民の生活が活写されています。

  2. 「タイローカルの旅」


    旅は「出会い」と言われます。「自然との出会い」「人との出会い」「歴史との出会い」そして「自分との出会い」。その出会いは「幹線旅行」より「ローカルの旅」にこそ、この「出会い」に遭遇するように思われます。
    この10年間余、JTBF観光委員会のメンバーが中心となってバンコクやチェンマイ等の大都市への旅ではなく「タイ・ローカルの旅」こそ、日本人の「心の琴線」に触れる旅が出来ると確信し、タイ国観光庁(TAT)東京事務所と地道に共同で開発した「タイ・ローカルの旅」の会員紀行文、並びに  「お勧めのタイローカルの旅」を纏めた冊子です。

  3. 「アユタヤ歴史遺産の旅」


    現在の日本人向けアユタヤ観光の定番ルートは、「世界遺産アユタヤ遺跡」を標榜しているものの、アユタヤ歴史研究センターも、日本人町も、ましてやポンペット遺跡も含まれていません。魅力あふれるアユタヤの歴史全体を日本人にもっと知ってもらうために、この三ケ所をルートに含む観光ツアーの開発が望まれます。
    そんなことをテーマに、2016年2月28日、JTBF観光委員会、泰日協会有志10名で小旅行を実施しました。その記録を纏めたのがこの冊子です。

  4. 「タイローカルの魅力を訪ねて」


    今回、タイ国誕生と言われるスコータイ王朝そしてほぼ同じ時期に栄え、その後のタイ歴史の形成に大きく関係してきたハリプンチヤイ王朝、ランナータイ王朝の古里を旅しました。
    旅とは「出会い」である。「人」、「自然」、「歴史」、そして「自分」との出会いである。過去の「タイローカルの旅」とはまた違った、私たちが今まで追求してきた「旅は出会い」の様々な「心に残る風景」が今回の旅には多くありました。


この4冊の小冊子が皆様のタイ国に対するご理解に少しでもお役に立てば、私共JTBFの無上の喜びとするところであります。

尚、本冊子ご購入のご希望がございましたら、以下のURLにアクセスして頂き、お申込み下さい。

「Bangkok in 1960's」と「タイローカルの旅」は1冊1,000円、「タイローカルの魅力を訪ねて」は1冊900円、「世界遺産アユタヤ遺跡」は1冊800円にてご購入頂けます(各冊子合わせて6冊以上ご購入の時は割引価格となります)。代金を受領後、「ゆうメール」(郵送料無料)ないしは「ゆうパック」(ゆうパックは別料金400円)にて、10日以内に配送致します。

https://ss1.coressl.jp/booklet.jtbf.info/form.php





 在京タイ王国大使館 /  タイ国投資委員会 /  タイ国政府観光庁 /  日タイ経済協力協会 /  海外技術者研修協会 /  盤谷日本人商工会議所 /  (社)日本貿易会 /