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タイ国に駐在経験のある日本人ビジネスマン(現役&OB)が個人の立場で参加しています。これまでの日本・タイ国両国におけるビジネス経験を生かし、両国間友好関係の促進に寄与したいと考えています。
Sceneries of Thai Borders
sketched by H. Murata
The border town Chiang Khong. Houayxay in Laos on the other side of Mekong River.
第13回 2023.6.1 配信
JTBF 広報委員会
毎年2月に恒例化していたJTBFタイミッション コロナ禍により中止を余儀なくされたが 今年は漸く実現することができた。しかし二日間の日程が直前まで決まらず心配しておりました。谷口団長代理とバウォン元公使のご尽力もあり私にとって非常に興味ある楽しい二日間を送ることができました。特にこれから話すのは訪問先で印象に残ったことである。
最初に、泰日工業大学。 学長がバンディット氏からランサン氏へ 理事長がスポーン氏からチラパン氏へ、そして日本人スタッフも児崎・大池両新人で、継続したのは、JTECSタイ代表の山本創造氏だけ。新学期から国際関係学部が創設され、新体制によってスタートしたばかりのところを訪問した。
ご挨拶いただいたことで印象に残ること。今後、今まで以上に学生の国際交流を積極的に進めたいと強調された。例えば本学生の海外留学およびインターンシップをもっと進めたい、更に日本からの学生訪問を提携校以外でも歓迎する。最近日本企業からインターンシップが減っている背景もあり 日本企業からのいろいろな支援を今一度期待しているとも。次に挙げたのが“カーボンニュートラル”、タイ政府が進める“BCG戦略。B バイオ経済 C 循環型経済 G グリーン経済 このBCG戦略の話題は BOI・工業省訪問の際にも出た話題である。電気自動車などは代表例である。また昨年9月筆者が「カーボンニュートラルに向けた新しい技術」ついて特別講義を行ったことも話題とされ今年度も同じ題目での特別講義を依頼され、一人喜んだ一幕もあった。最後に TNI訪問時に恒例となった書物を贈呈。大学構内の見学では、物流システムのロボット化と電気自動車試作品を見学した。
翌日向かったのが工業省。チャオプラヤ川に面したリサイクルの研究施設。使用済みの電子基板などを解体し化学反応を加えて、コバルトなどレアメタルを回収する研究所であった。各工程での展示サンプルもあり、事前説明と合わせ非常に理解し易かった。生成物の分析機器を整備したらもっと純度の高いレアメタルを回収できると思った。説明者が取り出したレアメタルを我々に自慢げにみせてくれたのはとても印象的であった。
そして工業省本省を訪問 タイ語での説明が多かったが、同行された犬井公使参事補佐官の通訳があり十分に理解できた。ここではサトウキビの搾りかすの処理である。サトウキビの茎・葉など部位によって工業省と農林省の管轄が別れるので作業が煩雑になっていると悩んでいた。それはさておき 現在はサイトウキビの搾りかすをバイオマス発電で燃やしているが 今後は繊維・プラスチックなどにリサイクルする話もでたのが印象的であった。
今回のミッションでは泰日工業大学、工業省、BOIを訪問したが タイ政府が進めるBCG戦略の話題がかなり徹底されているのは驚いた。日本よりタイの方がカーボンニュートラルを身近に考えていると痛感した。
我々もカーボンニュートラルをもっと考えるべきと反省し有意義な二日間であった。もし来年行けるとすればどれだけ進んでいるのか楽しみでもある。
文責 野澤俊夫 (教育支援委員会)
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