タイ国に駐在経験のある日本人ビジネスマン(現役&OB)が個人の立場で参加しています。これまでの日本・タイ国両国におけるビジネス経験を生かし、両国間友好関係の促進に寄与したいと考えています。
リレーエッセイ 第43回配信
2026年06月01日配信
JTBF 広報委員会
イベントづくりから見える日タイ協力の現在地
6月26日、バンコクのサイアムパラゴンで「SYNC Design & Innovation in SITE 2026」が開催されます。私もタイ側の企画・調整業務に携わっているイベントです。
SYNCは、デザインとイノベーションをテーマとしています。日本とタイを中心に、デザイナーやビジネスパーソン、行政関係者、スタートアップ関係者などが集まり、それぞれの経験や知見を共有します。カンファレンスに加え、音楽ライブやショーリールも予定されており、知識の共有だけではなく、参加者の感性にも働きかけることで、新しい発想や協力関係が生まれる場を目指しています。
開催の舞台となるのは、タイ国家イノベーション庁(NIA)が主催する3日間のイベント「SITE 2026」です。SITE(Startup x Innovation Thailand Expo)は、スタートアップや投資家、大企業、大学、研究機関などが集まる東南アジア有数のイベントであり、過去には3万人を超える来場者を集めています。今回もアジア各国から多くの関係者が集まり、新しい技術やアイデア、ビジネスの可能性について議論が行われる予定です。SYNCは、その2日目のプログラムとして開催されます。
近年、日本でも「デザイン経営」という言葉が定着してきましたが、今回のイベントで扱う「デザイン」は、単に見た目を整えることだけを意味していません。顧客体験をどう良くするか、社会課題をどう解決するか、企業や地域の未来をどう描くか。そうした問いに向き合うための考え方も含んでいます。タイでも行政や産業政策の中でデザインやイノベーションを重視する動きが強まっており、今回の企画もそのような流れの中から生まれました。
長くタイに関わってきて感じるのは、日タイ協力のかたちが近年大きく変化していることです。かつては日本の技術やノウハウをタイへ持ち込む形が中心でしたが、今は少し様子が違います。タイのスタートアップや研究機関、クリエイティブ人材の存在感も高まり、お互いの強みや経験を持ち寄りながら新しい取り組みを生み出す機会が増えています。
また今回の準備を通じて改めて実感したのは、人と人との信頼関係の大切さです。日タイ関係というと政府間協力や経済交流、投資額に目が向きがちですが、実際に現場で物事を動かしているのは個人同士のつながりです。JTBFと縁の深いシントンさんの高校時代の後輩であり、バヲンさんの先輩でもあるナレスさんには、登壇者のご紹介や関係機関との橋渡しなど、イベントを実現するうえで欠かせない多くの場面でご支援をいただいています。一つのご縁が次の出会いにつながり、その出会いが新しい協力関係を生んでいく。その積み重ねこそが、日タイ協力を支える大きな力なのだと感じています。
その意味で、JTBFの存在も非常に大きいものだと思います。私自身もJTBFを通じて多くの方々と出会い、さまざまな機会をいただいてきました。今回の取り組みも、そうしたご縁の延長線上にあります。新しい挑戦を始めるとき、最後に力になるのは制度や組織だけではなく、人との信頼関係です。日タイの関係を支えているのも、結局はそのような人と人とのつながりなのだと思います。
開催まで残りわずかとなりましたが、現在も登壇者や関係機関との調整が続いています。ここまで来ることができたのも、多くの方々とのご縁とご支援のおかげです。
まずは無事に開催できるよう、最後まで準備を進めていきたいと思います。バンコクにおられる方、ご都合のつく方は、ぜひ会場へ足を運んでいただければ幸いです。
【SYNC Design & Innovation in SITE 2026】
日時:2026年6月26日
会場:Siam Paragon Hall(Bangkok)
信藤博之(元国際交流基金バンコク日本文化センター/株式会社オルトデザインオフィス)