タイ国に駐在経験のある日本人ビジネスマン(現役&OB)が個人の立場で参加しています。これまでの日本・タイ国両国におけるビジネス経験を生かし、両国間友好関係の促進に寄与したいと考えています。
リレーエッセイ 第42回配信
2026年04月01日配信
JTBF 広報委員会
2月24日(火)~25日(水)の2026 JTBFタイミッションに参加すべく、およそ10年ぶりにバンコクを訪問しました。街を走るクルマの殆どが中国製EVの上海ほどではありませんが、かつては日本車が9割程度のシェアを誇っていたバンコクでも中国製EVをそこそこ見かけるようになっていました。直近の日本車販売シェアは約7割と僅かここ数年でかなり減少しています。
空港からホテルまで乗車したAOTリムジンも中国製EVでしたが、その品質レベル、スタイリング、室内パッケージは日本車と比べても十分に競争力あるコンパクトSUVでした。日系メーカーも先進ハイブリッド技術で時間を稼ぎつつ、EVでも徐々に競争力を引き上げ、ASEAN域内での高いプレゼンスをキープし続けて行って欲しいと痛切に感じました。
タイバーツ高、というより改めて強烈な円安にも驚かされました。駐在時に良く食べていたラーメンが一杯約1,500円、スターバックスのカフェラテが700円弱という感じです。(4月中旬に仕事でジュネーブを訪れましたが、ビッグマック単品が何と1,500円でした。) かつては1バーツ約3円程度だった記憶がありますが、現在のレートは1バーツ約5円。一方でタクシーやBTSは相変わらず日本よりかなり割安感があります。
タイミッション各アジェンダのレポートはご参加されたメンバーから毎月リレーエッセイで投稿されると理解して
いますので、私からはタイ政府工業省からの推薦でタイミッション2日目に総勢9名で訪問した、完成に近づいた
ATTRIC (Automotive Tyre Testing, Research and Innovation Center)の見学について少し触れたいと思います。
バンコクからマイクロバスで東に約2時間のチャチュンサオ県にあるATTRICは、タイ工業省工業規格局が主導し、タイ自動車研究所(TAI)が運営する、自動車及びタイヤの試験・研究・イノベーションセンターです。日本道路が
建設する全長4㎞のバンク付き高速周回路等の工事が行われていました。日産自動車最大の栃木テストコースの高
速周回路は確か約6.5㎞ですが、バンク内でのニュートラルスピードは凡そ200㎞/hとほぼ同レベルですので、ハイレベルのテストが行われていく事になるのだと思います。
現在は約20名程度の体制でタイヤ性能、EVバッテリー性能等の試験施設等が稼働していました。若々しい面々がチームワーク良く働かれている印象を受けました。完成時には100名体制での運営となり、ASEAN域内の自動車製品認証用の施設となって行くとの事です。国際基準に基づく性能・安全性・環境面の試験や認証が実施できるようになり、タイの自動車関連メーカーは製品を海外の試験機関に送る必要がなくなり、時間やコストの削減が実現されると資料にありました。研究開発や技術人材育成の拠点としての役割も担い、自動車産業に関する知見の集積や技術革新を後押しする、タイ政府が期待しているプロジェクトの一つのようです。バンコクからかなり遠いので、有能な人材の確保や、高速周回路をハイスピードで試験できるドライバーの育成、技術進歩に対応した設備アップデート、施設をフルに活用していくスケジュール/プラン策定等々、ATTRICと自動車関連メーカーがWIN-WINに双方協力し合って順調に発展して行く事を期待したいと思います。
今回のタイミッションではタイ王国大使館工業部のポーンタワット公使参事官様、補佐の内田様に全行程ご一緒頂
きました。大使館をサポートするJTBF新規約を実行・推進して行く上で、特に公使参事官様と趣味の話等で更に親
しくなれ、LINEを交換する関係になれた事も大きな収穫だと思っています。
工業委員会は総勢11名となりました。4月24日に新たに工業委員会メンバーになられた方々の紹介も含めて大使館工業部を訪問してきました。教育労働委員会と共に高専留学生の工場見学を何とか実現する事に加え、公使参事官様の抱える課題、ご意向をヒアリングしながら、そのソリューションの一助となる企業関係者とのネットワークをつなげて行く実際的な貢献を当面続けて行ければと思っています。
引き続きよろしくお願い致します。
工業委員会 長谷川亨
